やっと事務所が決まりました、調たかしです。
統一地方選挙は4月7日に迫っていますが、今回使わせて頂く事務所が見つかり、あとは契約を残すのみとなりました。七隈校区で日ごろから特に親しくお付き合いさせて頂いているご町内の1つに、良い物件が見つかりました。多くの方にご心配を頂いて非常に申し訳なく思っていたので、少しほっとしたところです。
さて、先日ですが、博多駅からウォーターフロント地区を結ぶロープウェイのイメージ図が、複数の新聞紙上に掲載されました。平成31年度予算に、ロープウェイの実現可能性を検討する経費として5000万円が計上されたことを受けての報道でした。
個人的には、この段階での検討経費の計上は時期尚早だと思っています。大きく分けて3つの理由があります。1つ目は、議会での議論が十分でないこと、2つ目は、いつ開業するのかが明確でないこと、3つ目は、なぜ市民の反対や不安の声を押し切るのかが分からないことです。
①議会での議論が十分でない
ウォーターフロント地区への交通アクセスの強化については、議会も認識している課題ではありますが、具体的な手法については議会で十分な議論がなされていません。過去4年間、都市交通に関する幅広いテーマを研究してきた「交通対策特別委員会」でも、ウォーターフロント地区へのアクセス強化が調査事項にはなっていましたが、一度も具体的な調査が行われませんでした。
この特別委員会では、過去に地下鉄1号線から3号線(七隈線)の検討にあたって、駅の位置をどうするか、ホームの形状をどうするか(島式・相対式)など、極めて根本的な事項について協議をして結論を出し、福岡市はその結論に沿う形で地下鉄を整備してきました。言い換えれば、福岡市は同特別委員会で議会の「お墨付き」を得て、事業を進めてきたということになると思います。
翻ってロープウェイはどうかというと、福岡市は有識者会議を設置してウォーターフロント地区への交通アクセス強化策として何が最適かを検討させ、そこで出された「ロープウェイが最適」という結論をもとに、ただちに事業の予算化に進んでいます。市民の代表である議会に対して、有識者会議の結論をなぞれと言っているようであり、個人的には到底承服できません。性急に予算化せずに、まずは議会の枠組みの中で、ウォーターフロント地区へのアクセス強化策をしっかりと議論させて欲しいというのが、先だってもこのブログに書きましたが、私の強い希望です。
②いつ開業するのかが明確でない
先に述べたように、議会での十分な議論を経ないままに、検討経費が予算計上されたわけですが、かように急ぐ理由がいまいちはっきりしません。これまでに担当局へのヒアリングや意見交換の機会を捉えて、「いつ開業したいのですか?」ということを何度か聞いていますが、具体的な答えが得られていません。ウォーターフロント地区の再整備は今後およそ20年を要する長期のプロジェクトと聞いています。先の長い話をなぜそんなに急ぐのでしょうか・・・。
③なぜ市民の反対や不安の声を押し切るのかが分からない
ロープウェイ構想については、2月議会の第4委員会で任意報告が行われましたが、多くの会派から厳しい意見が相次いだようです。「市民に説明できない」という声もあったということですが、確かに交通不便地など周辺地域の市民感情を考慮すれば、ロープウェイの検討は中心部ばかりに目がいって、周辺地域の交通対策がおろそかになっているという批判につながっても仕方ないと思います。事実、私の周囲でもそのような声が聞かれています。
先日、市長室の公聴部門に問い合わせたところ、昨年、市に寄せられたロープウェイ関連の意見は全部で15件で、賛成意見が3件、反対意見が9件、その他が3件だったということでした。やはり、厳しい声が多いのだろうと思います。
政治家は時として、市民や有権者の反対意見が多かったり、不利益になることであっても、将来のことを考えて決断をしなければなりません。国政においては増税の議論などがこれにあたると思います。市政においては、こども病院の移転問題などはまさにこうした事例だったのではないでしょうか。
翻ってロープウェイ構想はどうかというと、反対意見を押し切る正当な理由、まちの将来のために必要不可欠であるという確証が得られていません。議会としてまともに議論もしていないのだから当然といえば当然ですが・・・。
以上、3つの理由について述べましたが、ロープウェイ構想の性急な予算化については、議会側が何らかの対応を取るべきではないかという議論が、非公式の場で湧きおこってきています。私の個人的な考えについては、また改めて発信しようと思いますが、とにかく言いたいのは、ウォーターフロント地区への交通アクセス強化策については、4月の統一地方選挙を経て構成される来期の市議会の枠組みの中で徹底して議論をすべきだということです。こんな大事なことを、生煮えの議論のまま決めていいはずがない。市長提案への無責任な追従は、権力の監視のために市民から選ばれた議会にとって「職務放棄」以外の何物でもありません。改選も任期満了も間近ですが、最後までしっかり仕事をしなければと思っています。