昨日に続いて令和4年度の予算案についてですが、「生活交通」に関して新たな実証実験を行う経費が計上されているので、今日はそのことについて書きます。

これまでの経緯については昨年12月の議会質問の後にこのブログで詳しく報告しましたので、このリンクの投稿をご参照頂きたいと思います。

私が所属する自由民主党福岡市議団はこれまで、高齢者が運転免許証を返納した後の交通手段の確保などを念頭に「オンデマンド交通」の手法の活用を提案してきたのですが、福岡市はこの方向性で一歩大きく踏み出して、実際に車両を走らせながら課題抽出等に取り組むことを決め、予算化してくれました。

最近、若い人たちの間では「斜め上」(『ナナメ上』などと書くこともあるようですが)という表現が使われているようです。予想していたよりも上をいく事態が起きたときなどに、「斜め上いかれたわぁ」といったふうに表現するようです。令和4年度の段階で新たな実証実験が行われる可能性があるということは昨年12月の議会質問の段階である程度の予想はできたのですが、いざ予算の発表の資料で現認すると、「斜め上いかれたわぁ」と感嘆してしまいました。

これまで自民党市議団では生活交通プロジェクトチームを中心に、高齢者の日常生活の交通手段の確保についてさまざまな調査研究を重ねてきたのですが、当初から「何か具体的な形にしたいよね」と目標にしていたのは令和5年度予算、つまり来年の今頃に審査する予算を目がけて頑張ろうと話していました。予想より1年も早いアクションだったのですから、これは完全に斜め上を行かれてしまったというしかありません。

個人的な見解ですが、この項目は来年度予算の中でも特筆するべきだと思っています。そして同時に、極めて重要な政策課題に急ピッチの取り組みをすることになるので、我々が当初見込んでいた1年間の準備期間がなくなったというのもまた事実です。

生活交通は福岡市の行政計画にも掲げられる「いつまでも住み慣れた地域で」という大事な理念に直結します。「実験」とはいえ、本格運行につなげることが我々の目標なので、失敗は許されません。議会側もより短期間で持続可能性に優れた事業モデルの議論や提案をしなければならず、集中力と本気度が試される局面になったと思います。

福岡市が来年度、生活交通の実証実験を行う方針であることは新聞などの報道で既に関心のある市民の知るところとなっています。期待に応えるものになればと思いますし、そのためにしっかり汗をかきたいと考えています。