かなり時間が空いてしまいましたが、皆さまお変わりありませんでしょうか?調たかしです。
無所属で2期目に挑んだ昨年の統一地方選挙から1年余りが経ちました。

自由民主党福岡市議団への所属が決まってから各定例議会と予算・決算議会を一通り経験したことになりますが、1期目よりも責任を加えて、日々やりがいのある仕事をさせて頂いています。

先日閉会した6月定例議会では、福岡市の教科書採択について質問しました。今回の一般質問は、過去1年の総決算のつもりで力を入れて臨みましたので、概要のご報告をさせて頂きます。
もし、40分程度の動画をご覧頂くお時間がある方は、youtubeの福岡市議会チャンネルに私の質問の様子がアップロードされていますので、そちらを見て頂ければ議場の様子がお分かり頂けるかと思います。

今年度4月からは全国の中学校で、昨年度4月からは全国の小学校で新しい教科書を使っています。その採択の過程に物言いがついたのは皆さまも報道等でご承知の通りです。教科書発行会社が全国の自治体教職員に自社の教科書を閲覧させ、意見を聴取する際に謝礼として現金を渡したり、飲食等の供応接待をした問題では、福岡市でも25名の教職員の関与が明らかになりました。

今回の質問では、福岡市の教科書採択にあたってこうした不適切な金銭の授受等が影響を及ぼさなかったのかを追及するとともに、過去に同様の問題がなかったかの徹底した調査や、今後の採択の進め方の見直しを促すなど、再発防止に向けた具体的な行動を強く求めました。

福岡市で最も重い処分(懲戒・減給2ヶ月)を受けた教職員は、教科書会社から5万円の謝礼と東京までの往復航空券を受け取り、飲食の接待を受けていた者で、当時は中学校の校長でした(現在は定年で退職)。また、東京書籍の会議に出席し謝礼を受け取った中学校教員1名が、後に福岡市の教科書採択諮問委員に就任し、結果として当該教員が閲覧した家庭科の教科書が採択されるなど、非常に疑わしい事案があったことも判明しました。

教科書会社の行き過ぎた「営業活動」が、採択に影響しなかったかどうかについては、教育委員会としては「なかった」と結論付けています。しかし、教科書会社は校長・教頭など職責の重い職員ほど高額の謝礼を渡していたことから、教職員から選ばれた選定諮問委員が中心となって行う教科書の評価に向けて、何らかの影響力の行使を目論んでいたことが多分に透けて見えます。自由民主党福岡市議団では、発覚直後からこの問題を重く見て協議を重ねてきましたが、疑わしさが拭えない以上、教科書の採択をやり直すべきとの意見を教育委員会に繰り返し伝えてきたところです。しかし、法令の定めで一度採択した教科書は原則として4年間使用することとなっており、やり直しはできないとの見解で文科省と教育委員会が統一しています。

今回の事案で最も許し難く感じるのは、子どもたちが使う教科書に採択以前の段階でケチがついたことです。そして、それを小学校では今後3年、中学校では今後4年に渡って、使い続けなければならないという事態になったことです。小学校では2分野、中学校では1分野を除いて、全てが今回問題を起こした教科書会社が発行したものを採択しました。それらを手にするたびに、何だか子どもたちの手が汚れるような気がしてなりません。本当に耐えがたく思います。今後二度と、このような問題が起きてはなりません。

再発防止を求める私の質問に対して教育委員会は、公務員倫理研修の見直しなど綱紀粛正に取り組むことと併せて、過去に教科書会社と接点があった教職員がこれからの教科書採択に関わらないことを言明しました。また、採択の最終段階は教育委員による会議の場ですが、従前はこの段階までに候補となる教科書に順位付けがなされ、教育委員の会議は1位のものを採択するなど実質的に順位付けを追認していました。こうした採択の進め方そのものの見直しを求めたことに対しては、教育委員会は「抜本的な見直しをする」と前置きした上で、今後は評価段階での順位づけを行わない方針を示しました。

今回の問題で実害を受けるのが子どもたちであるということは、返す返すも残念で仕方ありません。一方で、教育委員会が再発防止や採択の進め方の見直しについて真摯な姿勢で答弁したことからは、強い危機感がにじみ出ていたと思っています。今後の対応を注視したいと思います。

教科書採択の問題は自由民主党福岡市議団の先輩議員、同僚議員もかなりの関心を持っており、怒り心頭の議員も少なくないことから、議会質問を担当するにあたっては相当な重責感を背負うことになりました。質問本文の内容には、色んな議員の意向を可能な限り盛り込むために、何度も何度も手を加えました。いずれにせよ、2期目の挑戦にあたっての唯一のお約束だった「正論を市政に」の思いを、遺憾なく出し切ることができた質問だったと思います。決して自画自賛をしたい訳ではありません。真意を申せば以上ご報告した通り、私はかなり元気に頑張っているということを皆さまにお伝えできればと思った次第です。