9月議会の準備に追われています、調たかしです。

先週末から、南区にある長住中央公園の再整備を巡って当局が第三者委員会をつくり方針を議論するという報道に触れ正直に言って穏やかではない心境で過ごしています。

この問題については、私自身のブログではそんなに触れてきませんでしたので、以下に簡単に経過を説明します。

開設から50年が経つ長住中央公園は、うっそうと茂った樹木で見通しが悪かったりバリアフリーの視点が欠けているなど、周辺住民の方々から再整備を求める声がかねてより上がっていました。

一方で、公園の中心部には「ソフトボール専用球場」があり、この取り扱いを巡って「廃止」を求める地域住民の意見と、「存続」を求める競技団体など球場利用者の意見が対立する事態となっていました。

これらの意見が請願としてそれぞれ議会にあげられて今年の2月に請願審査が行われ、議会としては廃止を求める請願を不採択にしたうえで、存続を求める請願を採択しました。

廃止を求める住民の意見の中には、早朝からの騒音や迷惑駐車の問題、加えて競技でしようされないときにずっと鍵がかかっている状況などについて問題視していました。しかしながら、この球場は福岡市の公共施設予約システム(コミネット)を通じて、広く市民の利用に供されており、全市民の財産という性質上、慎重に取り扱うべきであるという意見が議会の中では勝りました。

つまり、請願審査を通じて相対する2つの方針が議論された結果、議会としては球場の機能については残すべきであるという結論を既に出したのです。

 

 

 

 

 

 

では、なぜ第三者委員会が必要なのでしょうか。私は全く必要ないと思っています。特に注目された今回の案件では請願を審査するにあたって、私の先輩や同僚議員たちはしっかりと当事者の意見を比較検討し、慎重を期して結論を導きました。請願審査の経過や結果には何ら瑕疵はありません。

請願権は憲法や地方自治法に定められた権利であり、地方議会に出された請願については法の定めによって私たち地方議員が審査をします。そして出された結論は法的な拘束力こそありませんが、行政に道義的な努力義務を生じさせるものだと私は理解しています。

ではもし仮に、第三者委員会が議会の請願審査と異なる答えを導いたときに、一体行政はどうするつもりなのでしょうか?万が一、議会において出された結論と逆の方針を取るようなことがあれば、これは極めて脱法的な請願権の侵害、或は我々議会の議決の否定ということになります。行政からの説明を聞いた限りでは、こうしたところまでしっかり考えておらず、安易な発想で設置したようです。

あえて言うならば、今回のような案件で有識者の意見を聴く必要は全くありません。市民の代表として選挙で選ばれた私たち議員が十分に議論できますし、既に結論を出しています。委員に就任された方々は、多方面で専門的な知見をお持ちではありますが、今回の第三者委員会については設置の必要がないだけに、立てること自体が税金の無駄遣いだと思います。

かつて空港の新会社への出資を求めた議会の多数意見に対し、高島市長は「お金は子育てなど喫緊の課題に」という視点から反論しました。今回のような経費の無駄遣いがないかにはしっかり気を配って頂かなければなりません。速やかに第三者委員会を解散すべきです。

※当局の担当者レベルでは、地域住民と競技団体が協議のテーブルにつく調整が不可能と判断して、このような委員会をつくり、双方の意見を聞きたいと考えているようですが、自らの努力不足を棚に上げて、匙を投げる姿勢は批判に値します。久しぶりに腹が立ちました…。