自民党新総裁に岸田文雄・前政調会長が選出されました。蓋を開けてみれば1回目の投票、決戦投票を通じて首位を守り切る「完勝劇」でした。

市議会ではいま決算特別委員会の分科会が開かれており、新総裁のコメントは夕方のニュースで見た会見の範囲でしか追えていないのですが、パフォーマンスに走らず人の話をよく聞き、寛容な政治姿勢を持ちながら真面目に仕事に取り組んで頂けるだろうと、期待の気持ちがさらに強くなりました。

今まで地元の自民党支持者の方々、あるいは私個人を応援してくださる方々との会話の中では、総理総裁に誰が相応しいのかが話題になると「(安倍さん、菅さんの)他に誰もおらんめえもん?」ということを度々言われてきました。決まって私は「そんなことないですよ、若手にも素晴らしい人材はいます」ということを主張してきたのですが、相手の表情を見る限りピンとくる説明にはなっていないことを実感していました。

今回の総裁選を通じて、岸田新総裁の他に3名もの候補者が名乗りをあげ、保守的なものからリベラル色の強いものまで幅広い政策を戦わせる様子を多くの方々に見ていただくことができ、自民党内には次を担う人材が続々と育っているということを何となくイメージして頂けたのではないかと思います。

個人的にはいま、岸田新総裁が会見でも触れた「若手の登用」がどのような内容になるのかに大変注目をしていますが、一言で党内で「若手」といったときに最も層の厚い衆院3期生からの要職起用があるのか、中でも地元福岡県選出の議員からも登用があるのかに期待して、党人事や組閣人事を楽しみにしたいと思います。

一方で、今回の総裁選が今の政治の取り組みに対する批判の裏返しからかつてなく注目をされた点は否定しようもないだけに、新しい体制で取り組む新型コロナウイルス感染症への対策、経済再生や国民生活再建の取り組みなどに滞りやつまずきがあれば、国民世論は決して許してくれないことでしょう。

先日もこのブログで引用しましたが、中野正剛先生の戦時宰相論に曰く「戦時宰相たる第一の資質は絶対に強きこと」にあります。困難なこの時代に1人でも多くの国民が希望のある明日を展望することができるよう、岸田新総裁、新首相には身命を賭して強いリーダーの姿を示して頂きたいと思います。