多くの人がいま新聞やテレビのニュースで気にかけているのが、その日のコロナ陽性者の数かと思います。福岡県下の今日の数字は4949人。シクシクとはなんとも語呂(ごろ)が悪いのですが、やはり過去最多を更新しました。福岡県の人口は最近の推計で512万人ちょっと。1日で県民のおよそ1000人に1人が陽性者になっている計算です。

いつ、誰がかかってもおかしくない。そんな状況なんだと改めて思い知らされました。

これまで2回に渡り「連載コロナ考」と銘打って思うところを述べてきましたが、最終回の今日は、オミクロン株による感染爆発が始まって以降、私が身近な方から頂いたご相談をきっかけに思ったことなどについて書きたいと思います。

まず、今回の新規陽性者の大半が子どもをはじめワクチン未接種の人たち(2回目の接種から2週間が経過していない人を含む)であることを考えると、子どものいる家庭が身構えておくべきなのは、幼稚園・保育園、学校または学級などがもし休みになった場合にどう対処するかです。

現に全国各地で保育園の休園が相次ぎ、幼児を抱える親たちが働きに出られないケースが深刻な問題になっています。厚労省は保育や介護などに関わる人たちが濃厚接触者となった場合の待機期間を最短で5日間とする考えを示しました。

こうした幼児のケースでは、保育士などの現場復帰が早まることで、少しでも事態が好転することを祈るほかありません。保護者としては当面の間、突然職場に出られなくなることを十分に想定して、その際の働き方や家事の切り回しなどについて計画を立てておく必要がありそうです。

一方、学校については個別のご相談を受けました。ある市内の中学校の部活で陽性者が出たケースで、学校から部員の保護者に「PCR検査を受けるように」という指示があったものの、保健所では検査につないでもらえない(※連載の1回目で書いたように、公的な疫学調査としてのPCR検査は感染者がいる家族や医療・介護の現場などに限定する運用となっているため)だけでなく、親御さんがなかなか検査を受けられる場所を探すことができなくて困っているという内容でした。

教育の現場でも、少し前までは学級や部活で陽性者が出ると、保健所が濃厚接触者を割り出して公的なPCR検査へと誘導していました。しかし現在福岡市では学校における感染について保健所が周りの児童・生徒らに対して検査を実施しないこととなっています。福岡市の衛生当局や教育委員会では、「学校の判断で陽性者と接触があった児童・生徒を10日間の自宅待機とし、その間に発熱などの症状が出た場合には医療機関を受診する」などのことを呼びかけています。

私が受けた相談は、こうした方針が教育委員会と学校側で正確に共有されていなかったことが原因だったのではないかと思うのですが、こうした小さな混乱はどうやら1校に限ったことではないようで、私以外の議員の耳にも同じような事例が入ってました。

子どもを小学校・中学校に通わせる方がどくらいこのブログを読んでくださっているのかはわかりませんが、覚悟しておかなければならないのは、子どもの通うクラスでいつ学級閉鎖があっても不思議ではないということです。大事なのはその際の対処で、「PCR検査を受けなければ!」などと慌てるのではなく、色々と不安もあるし、保護者としては大変だとは思いますが、自宅で10日間(※厚労省の方針で一般の待機期間も7日間に短縮されるようです)なんとか待機をするぞ、という心構えを持っておくことだと思います。

今回、米軍基地からの「染み出し」が疑われる感染拡大もあって、全国でも最も早く蔓延防止等重点措置の適用を受けた沖縄県では、既に感染がピークを過ぎた可能性があるという報道もありました。福岡ではピークまであと1週間程度なのか、それよりも後なのか…。嵐が過ぎ去るのをじっと待つような心境になっているのが情けなくもあるのですが、いずれにしても、気を抜けない状況にあることは確かです。

連載の1回目で述べたように、目下の感染爆発の事態は国や自治体が状況をコントロールできる限界を超えています。何か問題が起きてから慌てて保健所に電話をかけても、現状では対応が極めて限定的なものになる恐れがあります。

かかって当然の感染症という認識のもと、それぞれの家庭の状況に応じて、シミュレーションをしておくことが、月並みなようですが重要なのではないかと思います。